当科における早期声門癌(T1、T2NO症例)の検討
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概要
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1985年から1995年までの11年間に、当科で一次治療として放射線治療を行った早期声門癌(T1、T2NO症例)64例について検討した。病理組織は全例扁平上皮癌であった。腫瘍進展度はT1が39例(61%)、T2が25例(39%)であった。放射線治療後14例(22%)に局所再発が認められた。腫瘍進展度別の局所再発率はT1が16%(Tla 13%、Tlb 20%)、T2が20%であった。再発例に対して全例手術を施行し、12例に喉頭摘出術、2例に再発腫瘍のレーザー切除術を施行した。喉頭保存率は全体で82%で、腫瘍進展度別ではT1が87% (Tla 92%、Tlb 80%)、T2が72%であった。5年生存率は64例全体で93%、放射線治療後の再発例が75%であった。早期声門癌の予後は再発例も含めて良好であり、今後は照射後の再発例に対して、治療成績を良好に保ちながら音声機能を温存した手術を検討したい。
- 耳鼻と臨床会の論文