舌神経由来の Neurinoma の1例
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概要
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Neurinomaは, 頭頸部に発生しやすい腫瘍であり, 好発部位は舌である, 頸部では迷走神経由来の報告があるものの原発の同定が困難な症例も多い. その中で, われわれは極めて稀な舌神経由来のneurinomaを経験した.<BR>症例は54歳男性で, 左顎下部腫瘤を主訴に来院した. 術前には舌の知覚障害および味覚障害の訴えは無く, 術中に舌神経由来の腫瘍と診断した. 手術は, 顎下腺摘出と同時に舌神経を切断し, 腫瘍を完全摘出した. 病理組織は, AntoniA型とB型との混合型のneurinomaであつた. 現在, 術後1年を経過しているが, 再発は認めず, 軽度の舌のしびれ感を残すのみで, 味覚障害の訴えは無く, 日常生活に支障は無い状態となっている.
- 耳鼻と臨床会の論文