アレルギー性真菌性副鼻腔炎の1例
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概要
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真菌による感染ではなく, 真菌に対するアレルギー反応の結果生じたと考えられるアレルギー性真菌性副鼻腔炎症例を報告した. 病理組織学的に, 上顎洞粘膜はアレルギー性副鼻腔炎の像を呈し, 洞内に充満していたムチン内には変性した好酸球の集簇と Charcot-Leyden結晶を認めた. 銀染色を行うことで, ムチン内の真菌要素が証明されたが, 粘膜内への真菌の浸潤は認められなかつた. 血液検査で好酸球増多を示し, 真菌類に対する特異的IgEは陽性であつた. また, それら真菌に対する皮内反応は, すべて即時型反応を示したことから, アレルギー性真菌性副鼻腔炎においては, 少なくとも I型アレルギー反応の関与が考えられた. また, 本疾患が成立する上で, III型アレルギーの関与が必要であることを文献的に考察した.
- 耳鼻と臨床会の論文