中耳カルチノイド腫瘍の電子顕微鏡的観察
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概要
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中耳原発のカルチノイド腫瘍2例について, 透過電顕的に観察し, 以下の結果を得た.<BR>1. 切片上, 腫瘍胞巣 (tumor nest) は, 管腔様構造を持つ大きな部分, 半島状部分および数個の細胞よりなる島状部分からなつていた. 細胞分裂像はいずれの部分にも観察されなかつた.<BR>2. 腫瘍細胞は, 神経分泌顆粒を持つ細胞とそれを持たない細胞の2種に分類できた. 前者10に対し後者1の比率で見られた. 後者は島状部分に見られることが多く, 核細胞質比が大きく, 微細糸以外の細胞内小器官に乏しく, 重層扁平上皮や線毛円柱上皮の基底細胞に類似していた.<BR>3. 島状胞巣では, 細胞配列の乱れ, 核の大小不同, 基底膜の不明瞭化・断列が見られた.
- 耳鼻と臨床会の論文