喉頭結核の1例
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概要
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喉頭癌と紛らわしい喉頭結核の1例を経験した. 症例は72歳, 男性で喉頭癌の診断で生検が施行された. 病理所見は軽度異形上皮と広範な壊死のみであった. 確定診断は喀痰検査, 病理組織検査のみで得られず, 抗酸菌染色により結核菌を証明することで得られた. 喉頭結核が疑わしい場合には抗酸菌染色を追加する必要があると考えられた.<BR>同症例は肺結核の既往があり, 気管支喘息に対する吸入ステロイド療法も行っていることから, 局所の免疫が低下し, 感染が再燃したものと考えられた. このような状況は少なくないことから, 喉頭の非定型的な病変を持ち, ステロイド療法など結核のリスクがある場合は, 喉頭結核の考慮が必要であると思われた.
- 耳鼻と臨床会の論文