上顎脂肪肉腫の1例
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概要
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上顎に発生した脂肪肉腫の報告は, 稀であり本邦において数例を認めるのみである. なかでも円形細胞型の組織像を呈するものは最も予後不良であり短期間に不幸な転帰を取るものが多いとされている. 今回われわれは上顎脂肪肉腫円形細胞型の1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例は50歳男性. 頻回なる生検にて確定診断に至り, 放射線治療, 化学療法施行したが腫瘍の縮小は認められず遠隔転移を来たし, 多剤併用の化学療法にても効果無く不慮の転帰をとった. また, 本症例は上皮性腫瘍である鼻腔内乳頭腫と間葉系腫瘍である上顎脂肪肉腫の両者が混在した稀な症例である.
- 耳鼻と臨床会の論文