食道VTR検査における造影剤の粘性に関する検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
嚥下動態の評価を目的とした食道VTR検査には, バリウムやハイトラスト (R)(気管支造影剤) などの液体造影剤が用いられていた. これらの造影剤の物理的性状は嚥下のしやすさに影響を及ぼすと思われるが, 嚥下物の粘性についてはこれまで考慮されていなかった. そこで, われわれはコンドロイチン硫酸ナトリウムを非イオン性血管造影剤に添加することにより粘性を調節し, 粘性の嚥下動態に与える影響を検討した. その結果, 粘性が高い造影剤は, 咽頭クリアランス負荷を増大し下咽頭流入速度を低下させるため下降期型誤嚥の検出に有効とおもわれた. 逆に粘性が低い造影剤においては, 咽頭クリアランス負荷が減少するものの下咽頭流入速度を速めるため挙上期型誤嚥の検出に有効であると考えられた.
- 耳鼻と臨床会の論文