鼻副鼻腔悪性黒色腫の臨床病理学的検討
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概要
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病理解剖を施行できた鼻副鼻腔悪性黒色腫2症例に対し, 臨床病理学的検討を行つたので報告した.<BR>症例1は69歳, 男性. 右鼻閉塞感にて受診. 右鼻腔に白濁色の腫瘍を認めた. CT検査では, 右鼻腔・上顎洞を中心に両側の節骨洞, 前頭洞, 右眼窩内に腫瘍が認められた. 化学療法を施行したが, 3カ月後に死亡した. 症例2は70歳, 男性. 右鼻出血にて受診. 右鼻腔に限局性に暗褐色の腫瘍を認めた3手術・化学療法を施行. しかしその後, 再発を繰り返し, その都度手術・化学療法を施行したが腫瘍は進行性に増大. また転移を認めるようになり, 10カ月後に死亡となつた. 病理解剖では, 症例2において, より多くの臓器に転移を認めたが, 病理組織では腫瘍細胞のタイプに違いは認められなかつた. 鼻副鼻腔悪性黒色腫は, 未だ予後は不良な疾患である. 今後早期の診断と適切な治療法の確立が必要と考えた.
- 耳鼻と臨床会の論文