他覚的随意的耳鳴の発現機序について
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概要
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随意的に発現開始, 制止が可能な筋性他覚的耳鳴の一症例を経験し, 耳鳴発生の機構と諸検査との関係について検討した. 本症例の耳鳴は2.2kHz付近にピークをもつクリック音で, 最高150回/分の頻度までコントロール可能であつた. 耳鳴に同期して鼓膜の内陥, 外耳道圧低下, インピダンスオージオメトリにおけるコンプライアンスの低下をきたした. しかしアブミ骨筋反射によつてさらにコンプライアンスの低下が重畳することから, アブミ骨筋の関与は否定された. 以上から耳鳴は軟骨部耳管が開大することで発生すると考えられた.
- 耳鼻と臨床会の論文