第1回日本音声外科研究会: 喉頭狭窄の2例:音声外科手術における困った症例
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概要
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治療が困難であつた喉頭狭窄症の2症例を呈示し治療上の問題について報告した. 症例1 (55歳, 女性) は大喀血後に緊急気管内挿管を受け抜管後に両側声帯がほぼ全長にわたり癒着したものである. 症例2 (42歳, 男性) は気道熱傷で気管内挿管を受けて声門後部の癒着をおこしたものである. 喉頭マイクロレーザー手術は癒着部の切離や瘢痕の蒸散除去には有用で声門前方の再癒着は防止できた. しかし, 声門後部は2症例ともに瘢痕拘縮を増強する結果となつた. そのため症例2には喉頭切開下に, 声門後部の癒着を切離し粘膜下に瘢痕を除去した後披裂部粘膜形成とフィブリン糊を利用して頬部粘膜移植を行つた. 術後徐々に両側披裂間のスペースが消失してきたが, 2年経過後呼吸機能および音声機能に問題は認められない.
- 耳鼻と臨床会の論文