耳鼻咽喉科領域感染症に対するAztreonam (AZT) の臨床的検討
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概要
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耳鼻咽喉科領域感染症に対するAztreonam (AZT) の有効性と安全性を検討した.<BR>AZTは1日1g~4gを平均6日間投与し, 主に術後患者に投与を行い臨床的効果の判定を行つた. 検討対象とした対象疾患は慢性副鼻腔炎57例, 慢性中耳炎40例, その他耳鼻咽喉科感染症41例の計138例であつた. 臨床効果は主治医判定において慢性副鼻腔炎で86%, 慢性中耳炎で90%, その他感染症で80%, 総合で86%であつた. AZTがグラム陰性菌に対してのみのスペクトラムをもつ薬剤であるため, グラム陽性菌に対する抗生剤の併用を行つたものが66例と約半数であつたが, 併用抗生剤群において高い著効例を多く認めた. 副作用は2例が軽度の下痢, 1例に発疹が認められた. また, 臨床検査値異常は主治医から4例が報告されたが, 化学療法学会の検査値異常判定基準においては該当するものはなかつた.
- 耳鼻と臨床会の論文