頸前庭性めまいと頸部交感神経との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
頸前庭性めまいの特徴は, 首を回した際に誘発される発作的めまいである. このような症状を呈する患者のほぼ92%は著者らの患側椎骨動脈起始部周囲交感神経剥離術によつて治癒する. 本症の成因として, 椎骨動脈の走行または形態異常, あるいは動脈硬化性変化等血管系の異常が関与すると思われるが, 上述の手術効果は頸部交感神経に対する頸椎または前斜角筋の機械的圧迫が内耳への血流障害を起こし, めまい発作を誘発する可能性を示唆している. 頸部交感神経は上頸神経節より発し, 同側の椎骨動脈に沿つて上行しながら, さらに脳底動脈から同側の内耳動脈沿いに内耳へ到達することが報告されている. そこでモルモットを用いて上頸神経節を電気刺激し, 眼振誘発の有無を観察した. 今回はまだ頸前庭性めまいのモデル動物を作り得るまでに至らなかつたが, 今後さらに作成法について追究するつもりである.
- 耳鼻と臨床会の論文