前庭刺激の脳血流におよぼす影響
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概要
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前庭刺激が脳血流におよぼす影響を, ウレタン・クロラロース麻酔, 人工呼吸下のラットを用いて検討した. 脳血流はレーザードップラー血流計によつて連続的に測定した. 左外耳道に0℃の冷水を注入する前庭温度刺激を行うと, 全身血圧が低下し, 同時に脳血流は減少した. 前庭窓を陰極, 蝸牛窓を陽極とする前庭電気刺激によつても, 刺激強度依存性に血圧が低下し, 同時に脳血流も減少した. T1レベルで脊髄を切断した後は, 前庭電気刺激による血圧の低下はほとんど起こらなくなり, 脳血流減少反応も消失した. また前庭神経核の化学的刺激によつても同様に血圧が低下し, 脳血流が減少する反応が得られた. 以上の事実は前庭刺激によつて血圧依存性に脳血流が減少することを示唆している.
- 耳鼻と臨床会の論文