実験的鼓膜形成術における筋膜の生着に関する電顕的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
健常モルモット21匹を用い, 鼓膜を完全除去後に, 自家乾燥側頭筋筋膜による鼓膜形成を行い, その移植筋膜の生着過程を術後4週から100週まで透過電顕的に観察した.<BR>1. 生着した形成鼓膜は上皮に覆われた膜状の瘢痕組織そのものであつた.<BR>2. 側頭筋膜は多量の膠原線維束, 少量の弾力線維を主とするフェルト様構造で, 少数の線維芽細胞, 小血管と神経線維を含んでいた.<BR>3. 移植筋膜は大食細胞と巨細胞により消化, 吸収されたと考えられた.<BR>4. 形成鼓膜内に鼓膜固有の細線維は認められなかつた.<BR>5. 筋膜は臨床的にも, 組織学的にも鼓膜形成材料に適すると考えた.
- 耳鼻と臨床会の論文