口腔粘膜扁平苔癬における免疫組織学的検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
口腔扁平苔癬は原因不明の疾患で治療方法も確立されていない. 今回遅延型アレルギー反応の面から抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞および免疫担当細胞であるTリンパ球サブセットについて正常口腔粘膜と口腔扁平苔癬の比較を行つた. なお免疫組織染色はPAP法を用いた.<BR>結果正常口腔粘膜においてはランゲルハンス細胞は粘膜上皮の深層を中心に分布していた. Tリンパ球は粘膜下浅層に少数認められTリンパ球サブセットについては特に差は認められなかつた. これに対し, 口腔扁平苔癬においてはランゲルハンス細胞の上皮下への浸潤と増加, ヘルパーTリンパ球を主体としたTリンパ球の増加が認められた.本疾患において遅延型アレルギー反応が深く関与していることが推定された.
- 耳鼻と臨床会の論文