咽頭梅毒の1例
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概要
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42歳男性の典型的な咽頭梅毒の1例を報告した. 主訴は扁桃肥大. 前口蓋弓から口蓋扁桃にかけて両側に乳白色の白苔を伴う扁平隆起肉芽様病変を認め, 肛門周囲にも湿潤した扁平隆起病変, いわゆる扁平コンジローマを認めた. リンパ節腫脹や陰部病変はなかつた. 梅毒血清反応は, RPR256倍, ガラス板法32倍, FTA-ABS (+), TPHA5120 倍と陽性を示し, 咽頭および肛門周囲病変からパーカーインク染色にてTreponema pallidumを確認した.<BR>近年の早期顕性梅毒の増加, 臨床像の変化のため耳鼻科医を受診するケースが増えつつある. 梅毒の診断および治療において血清学的検査は重要であり, われわれ耳鼻科医も梅毒について再認識しなければならない.
- 耳鼻と臨床会の論文