歯列圧痕の検討
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概要
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舌縁などに見られる歯牙の鋳型を歯列圧痕と称して検討を行った。その発生機序は主に舌筋、咬筋などの筋肉の緊張にあると推論した。舌縁に見られる歯列圧痕は注意をすれば頻繁に認められるものであるが、今回の検討ではCMIで「神経症」以上の例が多かった。また下口唇に見られる歯列圧痕は比較的まれなものであるが、今回確認できた症例は全例、心因性要素が関与するとされる疾患を有していた。歯列圧痕は、特に咽喉頭異常感症患者に多かったが、その原因の一つは症状を確かめるために空嚥下を行い口腔内を陰圧にすることが多いためと考えた。歯列圧痕のある症例には肩こり・頭痛を認める症例が多く、歯列圧痕と肩こり・頭痛の合併例の60%がCMIでIII型以上であった。また、歯列圧痕のある症例で、再発性口内炎があるとしたものは少なかったが、再発性口内炎を認める症例に歯列圧痕を認める症例が多かった。歯列圧痕と再発性口内炎の合併例の75%がCMIでIII型以上であった。
- 耳鼻と臨床会の論文