頸神経わな-反回神経吻合術を行った片側反回神経麻痺の1例
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概要
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片側反回神経麻痺による嗄声の手術治療として、披裂軟骨内転術、甲状軟骨形成術I型あるいは声帯内脂肪注入術などが選択されることが多い。嗄声はある程度までは改善するが正常域に復しがたい、あるいは一度改善しても長期間経過後に再び増悪する例がある。今回われわれは、後頭蓋窩髄膜腫に伴う片側反回神経麻痺に対して、披裂軟骨内転術に加え、頸神経わな-反回神経吻合術を併施し術後2年以上にわたり、持続的な音声の改善を認める症例を経験した。頸神経わなは切断しても機能障害はなく、同神経との吻合により麻痺側甲状披裂筋の神経再支配が起これば、長期的に発声時の十分な声門閉鎖および声帯の厚みの獲得が期待でき有効な術式と考えられる。
- 耳鼻と臨床会の論文