輪状咽頭筋切除術を伴わない広範囲舌切除後再建の成績
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概要
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1999年から広範囲舌切除後の再建において、隆起・半隆起型の再建舌を目指し次の点に留意した。1) 腹直筋皮弁の選択、2) 痩せた症例では2皮島皮弁の移植、3) 喉頭下垂防止術 (術前の安静時の位置ぐらいまで喉頭を戻す)、4) 輪状咽頭筋切除術は行わない、である。今回、喉頭温存に関する結果と問題点を報告する。対象は44症例で、その内訳は舌亜全摘術が32例、舌全摘術が12例で、男性38例、女性6例、平均年齢は54.3歳 (19-75歳) であった。気管孔を閉鎖し、経口可能となったのは39例 (88.6%) と良好な結果が得られた。再建舌形態は隆起型32例 (72.7%)、半隆起型11例 (25%)、平坦型1例 (2.3%) であった。しかし、5例において誤嚥ならびに肺炎を併発し、胃瘻の造設となった。この原因としては術後の体重減少や、意欲の低下、舌根部分の形態不良などが考えられ今後の課題として残った。
- 耳鼻と臨床会の論文