上顎洞真菌症における内視鏡下鼻内副鼻腔手術
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概要
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上顎洞真菌症6例に対して内視鏡下鼻内副鼻腔手術 (endoscopic sinus surgery: ESS) を行った。このうち、4例に対しては通常の中鼻道からのアプローチにより真菌塊を除去し得た。残りの2例においては、中鼻道ルートに加えて、下鼻道側壁に小孔 (下鼻道対孔) を造設して手術操作を追加することにより、真菌塊をすべて除去することができた。症例数は少ないものの、今回の結果を通じて、上顎洞真菌症に対するESS の有用性を再確認することができた。特に中鼻道および下鼻道からのルートを併用することにより、確実に短時間に真菌塊を除去することが可能であった。ただし、下鼻道対孔を造設する際、およびこの対孔から上顎洞内に器具を挿入する際には、眼窩内容物を損傷しないよう細心の注意を払う必要があると考えられた。
- 耳鼻と臨床会の論文