蝸牛電気刺激検査における針電極と銀ボール電極の比較
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概要
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当科で人工内耳埋め込みを行った22例に施行した3通りの蝸牛通電検査を検討するとともに、術中の蝸牛内外のインピーダンスを測定して検討し、以下の結果を得た。1) 鼓膜切開による正円窓窩銀ボール電極でのround window stimulation test (RWST) は経鼓膜針電極によるpromontry stimulation test (PST) や外耳道電極に比べて、良好な音感覚と広いダイナミックレンジが得られた。2) 術中に測定した蝸牛内外のインピーダンスでは正円窓窩銀ボールが最も低く、次いで鼓室岬銀ボール電極が低く、針電極は著しく高かった。以上より経鼓膜針電極は粘膜下の骨組織に刺入するとインピーダンスが高くなり、これがPSTの域値上昇、ダイナミックレンジの狭小化、再現性の乏しさの一因と考えられた。正円窓窩銀ボール電極が最も広いダイナミックレンジ、再現性を得る良い方法である。
- 耳鼻と臨床会の論文