下咽頭癌におけるClinical NとPathological Nとの相関について
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概要
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当科で根治手術を行った一次例の下咽頭扁平上皮癌279例について、clinical N (N) とpathological N (pN) の相関について検討した。全体でのNとpNとの一致率67.5%で、過小評価 (pN>N) 27.9%、過大評価 (pN<N) 9.1%であり、術前には過小評価となる傾向がみられた。N病期別の平均転移リンパ節数はNO:0.9個、 N1:2.6個、N2a:3.4個、 N2b:4.5個、 N2c:7.3個、 N3:7, 4個と病期が進むにっれて増加する傾向がみられた。術前治療 (放射線治療、化学療法) の有無によるリンパ節転移数の比較では、両群間に有意差は認められず、術前治療の転移巣に対する効果はみられなかった。予後因子としてはpN病期のほうがN病期より、良く予後を反映していると思われた。非常にまれな例として、転移リンパ節がすべて甲状腺癌の転移であることが術後に判明した症例、頸部リンパ節結核の照射のために転移形式が変化した症例を提示した。
- 耳鼻と臨床会の論文