カテコールアミン分泌性悪性頸動脈小体腫瘍の1例:内シャントチューブの応用
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概要
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頸動脈小体腫瘍は、これまでに諸外国で約1000例、本邦でも100例余りの報告しかない比較的まれな腫瘍である。今回われわれは頸動脈小体腫瘍の、Shamblin分類group2 怪進行例の一例を経験した。これは本来、頸動脈合併切除の対象例であったが、本症例の術中頸動脈断端圧 (stump pressure) は50mmHgであり、単純結紮では術後の脳血管障害のおこりうる可能性があった。このような場合、頸動脈を温存しつつ腫瘍を剥離摘出できる手技の一つとして、これまでに内シャントチューブの使用が報告されている。われわれは内シャントチューブを用いることによって、頸動脈再建を行うことなく、安全かつ確実に腫瘍を摘出することが可能であった。術後の脳血管障害などの合併症は認められなかった。また病理学的診断はlow-gradeの悪性頸動脈小体腫瘍であった。
- 耳鼻と臨床会の論文