中国・南京医科大学生におけるスクラッチテスト陽性率と鼻アレルギー有病率 (第四報; 1995・1996年度の調査結果)
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概要
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われわれは1995 (95, 以下同様) 年から, 日本国外における鼻アレルギー疫学調査を開始した. 対象は南京医科大学1・4年生であり, 96年度も同じ形式で調査を実施した.<BR>1. 95・96年度の対象例数は, 863例 (男子543例, 女子320例) であつた. 鼻アレルギー発症例は9例で全体の有病率は1.0%, 有症率は2.6%となつた. この結果はわれわれの既に報告した日本における北海道白老町の調査結果 (有病率は4.5%, 有症率は12.6%) と比べると, 有病率と有症率ともに低い.<BR>2. スクラッチテスト陽性率は大学1年生39.1%, 大学4年生41.9%であつた. スクラッチテスト陽性率は青少年においては, 若年ほど低いことが判つている. 白老町の児童生徒のそれとほとんど差のない南京医科大学生の陽性率は, 中国の青少年におけるスクラッチテスト陽性率の低さを示唆している.
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