中国・南京医科大学生におけるスクラッチテスト陽性率と鼻アレルギー有病率:第三報; カモガヤ・ブタクサの有病率
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概要
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われわれは今回, 南京医科大学の医学生1・4年生を対象に鼻アレルギーについての疫学調査を実施した. 本稿では前報告1), 2) までのHD・ダニ・スギに関する調査の他に, カモガヤとブタクサについても検討した. するとカモガヤ・ブタクサの鼻アレルギーは1例も見られず, これら5種類のアレルゲンについてもダニに陽性の1例のみが, 鼻アレルギーと診断された.<BR>日本では, 1970年代以前は鼻アレルギーが少なくその後激増したとされ, その背景には外的要因の関与の大きいことが推察されている. 中国の社会は, 面積が広大で地域格差も大きいため一概には断言できないが, 社会的発展が1970年以前の日本の状態とかなり類似している. もしも中国の社会が1970年代以降の日本と同様の経済的発展を遂げるならば, 鼻アレルギーも日本と同じように増加して行くのではなかろうか.
- 耳鼻と臨床会の論文