感音難聴症例のガドリニウム造影MRI所見
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概要
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感音難聴124症例の側頭骨MRIのガドリニウム造影効果を検討した. 一側性感音難聴79例で, 患側蝸牛, 前庭に造影効果を認めたのはHunt症候群, ムンプス聾, 突発性難聴の計3例のみであつた. 両側性感音難聴45例で造影効果を認めた症例はなかつた. MRIにて蝸牛, 前庭, 内耳道にガドリニウム造影効果を認めた2例はウィルス感染が関与している症例であり, 内耳の炎症を反映していることが考えられた. 突発性難聴39症例中1例に認められた造影の機序は不明であつた. 現時点での空間分解能では内耳性難聴の病態診断としてのMRIの有用性は, 内耳炎など限られた場合に認められることが確認された.
- 耳鼻と臨床会の論文