口腔癌手術後の口腔機能に関する検討
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概要
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近年, 口腔癌患者の術後の口腔機能についての報告がなされ, 様々な観点から検討されてきたが, 今回われわれは口腔機能を切除範囲, 再建方法により検討した. 舌および下顎の切除が行われた患者24症例の舌運動を調べるとともに咀嚼, 嚥下機能についてアンケート調査を行つた. その結果, 術後の口腔機能は舌の切除範囲の増大にともなって制限されていた. また, 口腔底の切除により舌運動に制限がみられ, 舌根切除により嚥下機能は制限されていた. 再建方法別では, 遊離皮弁, 有茎筋皮弁に差はみられなかった. 下顎骨辺縁切除症例の咀嚼機能は区域切除症例により良好であったが, 義歯の装着が関与していると思われた. われわれの結果では金属プレート再建例と骨移植例に差はみられなかったが, 再建方法は義歯による咬合回復に影響を与えると考えられた.
- 耳鼻と臨床会の論文