〔第13回嚥下研究会〕遊離空腸による咽頭再建後嚥下機能不良の下咽頭癌進展例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
71歳男性, 右梨状窩原発で耳管隆起下部におよぶ下咽頭癌進展例 (T4N2M0, 扁平上皮癌) に, 術前放射線治療として41.2Gy照射後, 咽喉頭食道摘出術を施行し, 口腔側を開いたループ状に遊離空腸を移植した. 術後存在したハンモック状の窪みのため, 咽頭部に食物が停滞し, 食道吻合部が狭窄して嚥下障害が持続した. 後者の障害はブジーによる治療の反復により改善した.<BR>開腹時に骨盤に浸潤するS状結腸進行癌 (腺癌) がみつかり, 結腸切除後人工肛門を造設した. 骨盤内病変にはCDDP, LV, 5FUの化学療法と放射線治療512Gyを行なつたが, NCであつた. このような下咽頭癌進展例では術前に上部消化管のみならず, 下部消化管の検査が必要であると考えた.
- 耳鼻と臨床会の論文