負荷による重心動揺分析 (めまい患者のスクリーニングとして)
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概要
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他覚的所見に乏しい軽症めまい患者のスクリーニングを目的として, インパルス負荷を与えた時の重心動揺を, 正常者群, 一側前庭障害群, 中枢障害群で減衰係数を指標として分析した. 強い衝撃の負荷 (撃振) では, その減衰係数値の平均は正常者群0.022, 前庭障害群では0.012, 中枢障害群では0.006であつて, 三群間には統計学的に有意の差を認めた. 衝撃緩衝力に優れたマットを重心動揺計上に敷き, 5. 傾斜させた状態から10/secの速度で平行位に復位停止させる負荷 (軽微なインパルス刺激) を与えると, 代償期にある一側性前庭障害群でも, 減衰係数値は, 患側向きへの復位刺激で有意に小さいかつた. 以上の結果より, インパルス負荷を加えた時の応答を, 減衰係数を指標として分析する方法は, 重心動揺計がスクリーニングとして臨床応用し得るための1) 検査が簡便である2) めまいを判別できる3) 明確な指標をもつという三条件を満たす検査法であると考えられた.
- 耳鼻と臨床会の論文