当教室における過去5年間の頭頸部癌二次症例の現況
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概要
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これまで頭頸部癌症例の検討では初回治療症例を対象とした報告が多い. 一方頭頸部癌では初回に放射線治療を行うことが多く, その再発時にはサルベージ手術が可能である.<BR>1988年1月より1992年12月までの5年間に東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科を初診した頭頸部悪性腫瘍二次症例は53例で年間症例の約10%強であった.<BR>原発部位別では口腔癌と喉頭癌が最も多く17例ずつであった. 口腔癌では舌癌が12例であった. 咽頭癌が9例, その他10例であった.<BR>前治療施設および診療科では教室関連病院耳鼻咽喉科が最も多く20例で全体の35%であった. 付属病院放射線科よりが10例で, その他外科, 内科, 皮膚科, 歯科などより8例であった. 他施設は15例で, 癌専門病院が4例, 大学病院5例, 総合病院6例であった.<BR>前治療では放射線根治照射が32例で, 手術治療は16例, 化学療法は3例, その他2例であった. 舌癌では1例を除き全例小線源治療であった.<BR>治療態度として根治治療が45例 (84,9%) であった. 姑息的治療は6例, 治療なし2例であった.<BR>治療成績は根治治療群の5年生存率は76.6%と良好であるのに比べ, 姑息治療群では50%生存期間は618日で2年未満であり, 3年生存率ではすでに0%であった.
- 耳鼻と臨床会の論文