高齢者の歩行:肉眼的観察とポリグラフ記録による検討
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概要
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高齢者の歩行 (開閉眼) を (1) 肉眼的観察 (10m自由歩行) と (2) ポリグラフ記録 (15m自由歩行) で検討した. 対象はめまい・平衡障害の既往と訴えのない65歳以上の高齢者111名である, このうち, ポリグラフ記録を行い得たのは19名である.<BR>(1) 肉眼的観察では接床. 離床の歩行リズム, 上肢の交互の振りが円滑でないものが加齢とともに増加し, とくに閉眼時に著しかつた, また, 所要時間, 歩隔, 偏倚距離は加齢とともに増加傾向にあつたが, 歩調, 歩幅は逆に低下傾向にあつた.<BR>(2) ポリグラフ記録では頭部左右・前後運動が不規則になりやすく, ひらめ筋の筋活動パターンも遊脚期に筋放電を認めるなど不規則であつた.<BR>これらの歩行変化は筋骨格系の加齢変化とともに自己受容性姿勢制御への加齢による影響が強いためと考えられた.
- 耳鼻と臨床会の論文