腎機能障害患者(おもに透析患者)におけるアミノグリコシド系抗生物質の前庭障害
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
腎機能障害患者20名について, アミノグリコシド系抗生物質による前庭障害をretrospectiveに調べた. 18例は腎不全 (HD8名, CAPD10名) であり, 2名は一過性腎機能障害である. 主な処方は結核に対するストレプトマイシン (SM) と, 腹膜炎に対するゲンタマイシン (GM) である. 前庭症状は15名に認められた. 前庭症状が出現するまでの平均投与量SMで7.1g, GMで1013mgと少なかつた. 前庭症状は改善する例が多かつた. Jumbling現象は9例に認められたが, このうち温度眼振検査 (氷水) と減衰振子様回転検査の両方で無反応のものは2例のみであつた. 経過観察により, 7例はJumbling現象が改善した. 耳鳴はなく, 聴力障害は1例に認められた.
- 耳鼻と臨床会の論文