唾影像を用いての耳下腺腫脹度の検討:唾液腺症について
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概要
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唾液腺症の唯一の症状である耳下腺腫脹を唾影像で捉えることを試み, それが唾液腺症の診断に有効であるか否かを検討した. 対象は, 唾液腺症が疑われた17症例で, 方法は, リピオドール約1.5mlをstenon管開口部より注入し, 一定の体位でFFDを70cmと定め撮影した. 得られた写真で, 下顎骨外側縁より主管の最遠位までの距離を「突出度」として耳下腺腫脹の指標とした. 正常30例の検討より「突出度」が1.9cmを越える例を異常と決めると対象とした17例中11例がその値を越えた. aspirationbiopsyを17例中7例に施行したが, 5例が唾液腺症と診断された.「突出度」が1.9cm越えた症例では, 4例が施行され, 全例が唾液腺症と診断された. 一方, 「突出度」が, 1.9cm未満の症例では, 3例が施行され, 1例のみが唾液腺症と診断された. 本検査方法は, 再現性もあり, 唾液腺症に時に認められる再発性も客観的に捉えることが可能でもあり, 唾液腺症の診断に有用であると判断した.
- 耳鼻と臨床会の論文