挿管性反回神経麻痺症例の統計的観察
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概要
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気管内挿管が反回神経麻痺の原因となつた症例について, 統計的観察を行い, 予後, 成因などについて検討した.<BR>1. 全反回神経麻痺症例253例中, 挿管が原因となつたものは12例, 4.9%であつた.<BR>2. 挿管麻痺の原因となつた手術の2/3は, 消化器系の手術であつた.<BR>3. 男性10例, 女性2例で, 50歳台60歳台に多かつた.<BR>4. 麻痺側は, 左側5例, 右側6例, 両側1例であつた. 不全麻痺が6例と多かつた.<BR>5. 従来の報告通り予後は良好で, 3週から2カ月で麻痺は回復した.<BR>6. 挿管麻痺の発症機転については, カフの位置およびカフ圧, さらにチューブの管径が重要な因子と考えられた.
- 耳鼻と臨床会の論文