外傷性嗅覚障害患者2例より嗅粘膜を生検し,免疫組織化学的に観察した.いずれの症例も機能している嗅細胞はなく,支持細胞と基底細胞のみの変性した嗅上皮に移行しており,予後は不良であると思われた.嗅粘膜生検とその免疫組織化学的検索は外傷性嗅覚障害の診断,予後の判定,詐病との鑑別などに有用であると考えられた.