乳酸桿菌の増殖におよぼすシステインおよびセリンの阻害作用
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概要
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乳酸桿菌(L. gasseri, L. acidophilus, L. fermentum および L. rhamnosus)の増殖におよぼす各種アミノ酸(glycine を除き,D-型,L-型を含めた38種類,最終添加濃度10 mM)の影響を調べた。培養には MRS 培地を通常使用濃度の40%とし調製して用いた。その結果,増殖を促進するアミノ酸は phenylalanine と tryptophan であったが,その促進作用には濃度依存性が認められず,本作用は栄養成分の imbalance の改善によると考えられた。増殖抑制作用を示すアミノ酸は,arginine, histidine, cysteine および serine であった。この抑制作用はいずれのアミノ酸においても濃度依存的であり,高濃度ほど抑制作用が強かった。Cysteine と serine の抑制作用では,D-型は L-型より強い作用であった。 Arginine と histidine の増殖抑制作用は,L. fermentum のみで見られたが,cysteine あるいは serine では L. gasseri, L. acidophilus および L. fermentum の 3 菌株において認められた。アミノ酸の生合成においては共にピルビン酸系列に属する cysteine および serine による増殖抑制作用であることから,作用機序として feedback regulation が推定された。
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