α-ラクトアルブミン,ラクトフェリンおよびリゾチームのハロペリドール様作用
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概要
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α-ラクトアルブミン(α-LA),ラクトフェリンおよびリゾチームの薬理作用をマウスやフェレットを用いて検討し,統合失調症治療薬のハロペリドール(Hal)の効果と比較した。マウスにおいて,Hal は,アポモルヒネ誘発立ち上がり行動を減弱させた。α-LA,ラクトフェリン,リゾチームのいずれを投与しても,アポモルヒネ誘発立ち上がり行動は,アポモルヒネ投与40分後あるいは50分後に有意に減弱した。また,α-LA あるいは,ラクトフェリンを単独投与では,顕著な影響を及ぼさない用量の Hal と併用投与するとアポモルヒネ誘発立ち上がり行動の総数は,有意に減少した。マウスに Hal を投与すると,カタレプシーを惹起した。しかし,α-LA,ラクトフェリン,リゾチームのいずれを投与しても,カタレプシーは,観察されなかった。α-LA,ラクトフェリン,リゾチームのいずれを投与しても,低用量 Hal のカタレプシー誘発作用を増強しなかった。さらに,フェレットに α-LA を反復投与するとシスプラチンにより誘発された遅延性嘔吐を減弱させる傾向が認められた。これらの結果から,α-LA 等は,弱いながら,Hal 様作用を有すると思われる。しかし,Hal の代表的副作用として知られているカタレプシーを生じさせず,また,Hal によるカタレプシーを悪化させることも無いと思われる。
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日本酪農科学会 | 論文
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