豚カゼインミセルのミセル性リン酸カルシウム架橋
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概要
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豚乳カゼインミセルの成分組成とミセル性リン酸カルシウム(MCP)架橋会合体を調べた。豚乳のミセル性カゼイン含量は3.47-4.07%と牛(ホルスタイン種)生乳のそれより多く,牛の1.48-1.73倍であった。豚乳の全カルシウム,全無機リン,ミセル性カルシウムおよび無機リン含量も牛生乳と比べて多く,ミセル性無機リン含量は牛生乳の1.53-2.03倍であった。5℃における 2-24時間の冷却により解離するカゼイン含量はわずかであった。豚カゼインミセルの MCP 架橋会合体を,TSK-GEL G4000SWXL カラムおよび溶離液として 6 M 尿素を含む人工乳清を用いて高速液体クロマトグラフィーで分離した。豚カゼインミセルの MCP 架橋会合体含量は66.6-69.2%で牛カゼインミセルの52-57%と比べて著しく高かった。豚カゼインミセルは牛カゼインミセルと比べて MCP により容易に架橋され,MCP 架橋会合体含量が多いことが冷却によるカゼインの解離を抑制しているものと考えられた。
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日本酪農科学会 | 論文
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