地域住民の主体的な介護予防活動推進のための取組 「介護予防リーダー養成講座」の評価
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概要
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目的 地域住民の主体的な介護予防活動推進のために,「介護予防リーダー養成講座」のカリキュラムを作成した。その実施を通して,受講生の介護予防自主グループの設立状況や,介護予防の理解度や自信の変化から講座の評価を行い,今後の課題について検討した。<br/>方法 平成21~23年度に東京都 A 区(1 期),B 市(2 期),C 村(1 期)と千葉県 D 市(3 期)において実施した 7 期分の介護予防リーダー養成講座の修了者178人を講座の評価の対象とした。介護予防リーダー養成講座は,知識の教授を目的とした講義,および地域の課題の調査や先駆的活動の見学などの演習から構成した。本講座の評価として,講座の修了者が設立した介護予防自主グループ活動について,①自主グループ活動の内容,②設立に至った経緯,③活動場所,④実施頻度,⑤参加者数などの調査を行った。講座前後に介護予防の理解度と自信に関するアンケート調査も行い,講座受講による変化を調べた。<br/>結果 受講者が設立した自主グループは35グループであり,活動内容は複数種類にわたっていた。グループの多くは地域包括支援センターや社会福祉協議会などの支援を得て設立•運営していた。介護予防の理解度は,対象としたほとんどの講座の前後において有意に向上していた。しかし,自信については全 7 講座のうち 4 講座では有意な向上を示したが,3 講座では向上は認められなかった。<br/>結論 講座修了者は複数の活動内容の自主グループを設立しており,講座は住民主体の介護予防活動の推進に有用であったことが示唆された。設立には関係機関や組織の協力が不可欠であり,これらとの結びつきを意識した講座の進行や,協働の機会の提供が重要と考えられた。講座は介護予防の理解や自信の向上に効果があったが,自信については地域差があり,受講者の地域ネットワークや地域資源の活用状況によっても影響を受けることが示唆された。したがって,自信を高めるためのフォローアップが重要と考えられた。
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