青年海外協力隊栄養士の派遣形態(新規,交替)における困難な活動内容と改善策に関する検討
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概要
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目的 青年海外協力隊栄養士において,派遣形態(新規,交替)による活動内容,困難だったこと,活動に困ったときの解決に役立つ情報源について比較し,支援ニーズについて検討することを目的とした。<br/>方法 2007年,協力隊栄養士の帰国者全員153人を対象に郵送による質問紙調査を実施し,66人から回答を得た(回収率43.1%)。質問項目は派遣形態,派遣時の年齢,日本での栄養士経験年数,派遣国,派遣先,活動内容,カウンターパートの有無,困難だった活動,困難な活動を解決するための情報源等であった。<br/>結果 派遣形態は,新規が34人,交替が32人であった。新規,派遣ともに派遣時の年齢は20–29歳が多く,日本での栄養士経験年数は 5 年程度であった。活動内容について,新規では地域住民への栄養教育プログラムの開発が多く,交替では病院での疾病治療における栄養管理•栄養指導が多かった。困難だった活動には,新規,交替ともに,配属先での自分のポジションの獲得と活動体制づくり,住民の価値観•生活状況をふまえた活動があげられた。また,新規では配属先にカウンターパートのいた者の割合が交替に比べて有意に低かった。新規,交替ともに困難な活動を解決するために書籍を活用する者が多かったが,交替は新規に比べて複数のチャネルから情報を入手していた。<br/>結論 派遣形態により,協力隊栄養士の活動内容,配属先のカウンターパートの有無が異なっており,困難だった活動や困難な活動を解決するための情報源から支援ニーズが異なっていることが示唆された。
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