さいたま市内の救急医療機関に搬送された自殺企図患者の実態
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
目的 さいたま市内の救急医療機関における自殺企図患者の実態と精神科受診につなげる機能の実態を明らかにして再発予防に役立てることを目的とする。<br/>方法 さいたま市内の全救急医療機関(25施設)を対象に平成21年 9 月 1 日~11月30日の全救急外来患者について質問紙調査を実施した。質問項目は,自殺未遂者に関する自殺企図の方法と,精神疾患の合併および救命後の精神科受診状況について,救急医療機関が精神的ケア体制充実のために必要とする内容等である。<br/>結果 自殺未遂者の自殺企図の方法別割合は,薬物によるもの72.3%,切創•刺創によるもの20.7%であった。精神疾患を合併している患者の割合は81.7%であった。救命後,精神科受診の指示があったものの割合は71.4%であった。しかし,救命後精神科に通院したものの割合は34.3%であり,入院中に精神科を受診したものの割合は15.5%であった。精神的ケア体制充実のために救急医療機関の75.0%が「救急医療機関と精神科医療機関のネットワークの構築」を必要としていた。<br/>結論 さいたま市内の救急医療機関に搬送された自殺企図患者の実態について調査した。その結果,休日•夜間における精神科医の当直体制がないさいたま市では,自殺未遂者の再度の自殺を防ぐために,救急医療機関と精神科医療機関のネットワーク構築や,体制整備および自殺企図患者支援のための相談援助活動のより一層の充実が求められていることが明らかとなった。
- 日本公衆衛生学会の論文
日本公衆衛生学会 | 論文
- 心理的健康の維持・増進のための望ましい生活習慣についての疫学研究
- 脳卒中予防対策地域における脳卒中発生状況と重症度の推移に関する疫学的研究
- 健康づくりのための運動指針2006の認知状況と他の健康づくり施策の認知および人口統計学的変数との関連
- 在宅生活をしている統合失調症患者のWHOQOL-26尺度に影響を与える要因の検討
- 肥満児の体力と保健指導プログラムにおける運動療法の効果