頸部神経鞘腫手術症例の検討
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概要
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頸部神経鞘腫は比較的まれな疾患であるため,耳鼻咽喉科,頭頸部外科医師個人の経験症例数はそれほど多くなく偏りがあると考えられる。摘出には神経機能温存目的に被膜間摘出術が行われているが,その手術手技に関しては経験が必要である。今回,同一術者が被膜間摘出術を行った頸部神経鞘腫23例について臨床的に検討した。結果は,術後の神経機能温存のためには被膜間摘出術は有効であり,術後の神経脱落症状に関しては,手術手技が関係していることが推測された。また由来神経による術後神経脱落症状の発生しやすさについては不明であり,耳下腺内神経鞘腫に対しても被膜間摘出術を行うことで一過性麻痺が生じただけで摘出することができ,経過観察ではなく手術という選択肢も検討されるべきと考えられた。
- 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 | 論文
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