がん間質ターゲット
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概要
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従来のミサイル療法剤である抗細胞抗体を用いたADC(Antibody―drug conjugate)は、血液性悪性腫瘍や間質が少なく血流の多い乳がんに対しては有効に作用する。しかしながら、脳腫瘍、スキルス胃がん、膵臓がんなどの間質の豊富な難治性がんでは有効性が示されていない。がん細胞を取り囲む厚い間質が腫瘍内部での抗体デリバリーを阻害している。このいわゆる間質バリアを克服するために、間質を標的にしたADCとしてCAST(Cancer stromal targeting)療法を創生した。現在までに、抗コラーゲン4抗体・SN-38複合体と抗フィブリン抗体・SN-38複合体の開発に成功している。CAST療法剤に特徴的な薬効として、がん細胞ともに著明な腫瘍血管の障害作用を認めた。一方、骨髄毒性、肝腎障害、免疫反応などの有害事象は認めなかった。臨床応用に向けて、さらなる研究を進めている。
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