ITS 1塩基配列による植物性異物同定方法の開発
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概要
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18SリボソーマルRNA(18S rRNA)遺伝子,5.8SリボソーマルRNA(5.8S rRNA)遺伝子に植物ユニバーサルプライマーを設計し,両遺伝子に挟まれたinternal transcribed spacer 1(ITS 1)領域をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅し,増幅されたITS 1塩基配列から植物試料を同定する方法を開発した.18S rRNA遺伝子側プライマーは植物ユニバーサルであり,且つ,カビ・酵母と異なる塩基配列から設計し,カビ・酵母が混入付着した植物へも適用可能とした.この方法は,市販植物45品目中の36品目を種まで,9品目を属まで同定可能であった.また,105℃,16hrs加熱後のタマネギ<rb>鱗</rb>(りん)葉,及びレトルトソース中のタマネギ鱗葉の同定も可能であった.食品への混入異物を想定した,ラッカセイの種皮,カボチャのへた,リンゴのへた,竹,木片,冷凍ナスの果皮のうち,PCR産物が得られた,ラッカセイ,カボチャ,リンゴを種もしくは属まで同定可能であった.以上より,食品に混入した植物性異物を同定する方法としての可能性が示された.
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公益社団法人 日本分析化学会 | 論文
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