職場でのリラクセーションがもたらす自律神経活動への影響および心理的作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
リラクセーションは落ち着いた音楽、快い香りなど快適な治療空間の中で、ストレッチや呼吸法を行う手法であり、不安の軽減など心身への効果が期待される。本研究では、職場におけるリラクセーションの効果について、自律神経活動への影響、心理的作用の面から検討を行った。 対象は健康な11名の成人(男性7名、女性4名)である。リラクセーション実施前より終了後まで心拍変動、唾液アミラーゼ活性値の測定を行った。またリラクセーション前後にProfile of Mood States (POMS)を実施し、心理的な評価を行った。 唾液アミラーゼの値はリラクセーション前後で、29.2±12.7 kIUL(平均±標準偏差)から23.2±10.9kIULへと低下した(p=0.05)。また、心拍数は90.8±10.0拍分から84.9±8.9拍分へと低下した(p<0.01)。一方、HFパワーは315.1±211.3msec<SUP>2</SUP>から381.8±225.3msec<SUP>2</SUP>へと増加した(p=0.02)。POMSの結果では、緊張-不安のスコアが40.5±4.6から35.8±3.3へと改善し(p<0.01)、疲労感も43.8±6.2から40.4±4.1へと改善(p<0.05)していた。 これらの結果から、リラクセーションは副交感神経活動を増大させ、交感神経活動を減少させることが示された。リラクセーションは特別な装置等を要さないため職場で行いやすく、不安緊張や疲労感を改善させることのできる手法として有用と考えられた。
- The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicineの論文
著者
関連論文
- 手術室用注射薬管理システムの紹介
- 手術部における物流管理業務一元化(SPD導入)の試み
- 脊髄内視鏡
- 先天性門脈-大静脈シャントの開腹根治術を行った乳児の麻酔経験
- 精神科作業療法の効果評価への心拍変動の利用
- 紹介 当院〔東京大学医学部附属病院〕手術部における物流管理業務一元化(Supply, Processing and Distribution: SPD導入)の概要と効果
- BIS(Bispectral Index) : 催眠指標としての特徴と限界(最近話題の麻酔科領域関連機器)
- 心拍変動で評価したプロポフォール麻酔からの回復過程とそのリバースによる修飾
- 外科医が知っておくべき麻酔管理の基礎知識(10)気管挿管の基礎知識
- Bispectral Index と心拍変動からみた麻酔法の特性 : セボフルラン麻酔とプロポフォール麻酔との比較
- 脊髄内視鏡を用いた選択的神経根ブロックのための基礎的研究--内視鏡下脊髄誘発電位の測定による神経根同定の試み
- 星状神経節ブロックとステロイド投与の併用療法が奏効したComplex Regional Pain Syndrome (CRPS) Type Iの1症例
- 職場でのリラクセーションがもたらす自律神経活動への影響および心理的作用
- 職場でのリラクセーションがもたらす自律神経活動への影響および心理的作用