高分子の架橋に関する新しい概念とその応用
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概要
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高分子の架橋 (化学架橋) が高分子材料に弾性という性質をもたらし, 今日のゴム・タイヤ産業および高分子産業の興隆に貢献したことは良く知られている。その結果, 高分子の架橋は, 基本的な加工技術という観点だけでなく, 高分子の科学と技術の中心的な研究課題として多くの注目を集め続けてきた。最近我々の研究室では, 架橋に関する新しい技術, すなわち架橋点が自由に動く高分子材料 (環動高分子材料) を開発することに成功した。架橋点が自由に動くと, 高分子材料の力学特性が大きく変化する。環動高分子材料は, 初めは溶媒を含むゲルとして世の中に登場したが, 現在は溶媒を含まない高分子材料にも適用され, 高分子材料全般に架橋に関するこの新しい概念が応用されようとしている。本総説では, 高分子の架橋に関する研究の歴史と様々な最近の研究を簡単に紹介するとともに, 最近登場した新しい架橋様式である環動高分子材料について詳しく解説する。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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