ナノビルディングブロックを用いた新規有機無機ハイブリッド材料の開発
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概要
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Q8シルセスキオキサンキューブをビルディングブロックとしたエポキシ硬化系, ヒドロシリル硬化系有機無機ハイブリッドの構造と物性の関係を検討した。エポキシ硬化系では, 架橋点間隔が短くなるエポキシ樹脂 (DGEBA eq=180) で架橋することで耐熱性が向上し, 硬化体のガラス転移が消失した。一方, 架橋点間隔が長くなる (DGEBA eq=650), ないし短い架橋点間隔でも嵩高い原子団が存在する (Br化DGEBA eq=400) エポキシ樹脂で架橋した場合, Tgが観測されたが, 誘電率は架橋点間隔が短い硬化体よりも低下した。エポキシ硬化系ハイブリッドでプリント配線板を調製し, 物性を評価した結果, 従来のエポキシ樹脂系プリント基板 (FR-4) より耐熱性が高く (Tgレス), 半分のBr難燃剤含有率で94V-Oを達成する基板が得られ, 当該ハイブリッドの電子材料用途への展開の可能性を示した。ヒドロシリル硬化系ハイブリッドでは, 硬化体が短波長域まで非常に高い透明性を有し, UV光 (380nm) に対して高い耐性を有していることがわかり, 当該ハイブリッドが光学用途透明材料として有望であることを示した。小角X線解析より, 当該ハイブリッドがエポキシ樹脂に比較して, より小さいサイズの空孔で形成される, ポーラスな構造になっていることが示唆された。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
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高村 徳宏
松下電工 (株) 先行技術開発研究所 機能材料研究室
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Laine Richard
Materials Science and Engineering, University of Michigan
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篠谷 賢一
松下電工 (株)