ポリシロキサン-アクリルハイブリッド型水性樹脂の合成と架橋フィルムのモルフォロジー
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概要
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1.背景と目的<BR>塗料業界では、環境保全の観点から、各種の溶剤系塗料の水性タイプへの置換が進んでいる。そのような状況下、フッ素樹脂に替わる超耐候性塗料用樹脂として、アクリル樹脂とポリシロキサンをハイブリッド化させた新規な水性樹脂の開発研究が盛んに行われるようになってきている。ここでは、筆者らが独自に開発したポリシロキサンーアクリルハイブリッド型水性樹脂の合成方法について紹介する。<BR>2.合成方法<BR>筆者らが開発した合成方法について説明する。図1に示すように、先ず、カルボキシル基とアルコキシシリル基を併有するアクリル樹脂のアルコキシシリル基と、ポリシロキサンの有するアルコキシシリル基とを親水性有機溶剤中で共加水分解縮合し、ポリシロキサンとアクリル樹脂を化学的にハイブリッド化させた。次いで、アクリル樹脂に導入したカルボキシル基を有機アミンで中和し、この中和物に水性媒体を投入してポリシロキサンーアクリルハイブリッド型樹脂を水性化した。使用するポリシロキサンは、オルガノトリアルコキシシランを主成分とするアルコキシシランモノマーに水と酸触媒を添加して調製した部分加水分解縮合物であり、三次元分枝状構造を有すると推定される。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文