酵素触媒重合による硬化性ポリフェノールの合成
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概要
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酵素触媒を用いるフェノール類の重合により, 新規芳香族ポリマーを合成した。従来のフェノール樹脂とは異なり, 本法では有毒なホルマリンを用いることなく, 簡便な操作, 穏和な条件下でポリフェノールが得られた。反応条件により, ポリマーの分子量, 溶解性, 形態を制御することができた。さらに機能性基を導入したフェノール類の重合により, 硬化性ポリフェノールが創製された。ペルオキシダーゼ触媒を用いて合成したポリ (ビスフェノールA) は加熱することにより不溶となり, 熱硬化性を有することがわかった。またメタクリル基含有フェノールの重合では, メタクリル基は反応に関与せず, フェノール部位が官能基選択的に重合した。生成ポリマーは熱及び光硬化性を示した。カシューナッツ殻液から得られるカルダノールの酵素触媒重合により, 側鎖に不飽和基を有する液状ポリフェノールが合成された。本ポリマーはナフテン酸コバルト存在下に硬化した。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文