炭素繊維強化エポキシ複合材料における層間せん断強度
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概要
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炭素繊維一方向強化エポキシ複合材料の層間せん断強度におよぼすマトリックス樹脂の種類, 硬化条件, 吸湿の影響を, 硬化エポキシ樹脂の曲げ特性との関連において検討した。<BR>芳香族アミンおよび酸無水物硬化エポキシ樹脂の曲げ試験と, 高強度および高弾性タイプの炭素繊維でこれらの樹脂を強化した4種類の一方向強化複合材料のショートビーム法による層間せん断試験を種々の温度条件下で行なった。<BR>その結果, 高強度タイプ繊維強化複合材料の層間せん断強度はマトリックス樹脂による差がほとんど認められないが, 高弾性タイプ繊維強化複合材料ではその差がある。層間せん断試験において高温域では層間せん断が見られず繊維の座屈現象のみが認められるが, 両者のせん断強度ともエポキシ樹脂の曲げ特性と同様に強い温度依存性を示した。<BR>硬化条件による影響は, エポキシ樹脂の曲げ特性を変化させるが, 複合材料の層間せん断強度においては高温域を除くとほとんど認められない。<BR>エポキシ樹脂のガラス転移温度, 曲げ特性および複合材料の層間せん断強度は, 吸湿によって明らかに低下する。また, ガラス転移温度, 高温域の曲げ特性の低下は硬化条件によって異なるが, 低温域における曲げ特性, 層間せん断強度の低下は硬化条件にあまり依存しないことがわかった。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文